キミの心に届くまで
ヒューッと風が通り抜けると、予想外の冷たさにブルッと身震いする。
「またサボッてたの?」
こんな時でも、片桐はアスファルトの上に寝転んで遠くを見つめていた。
遠い目をして何かを見つめる片桐は、一体今何を考えてるの……?
「もう昼かよ。どうりで腹が減るわけだ」
ムクッと起き上がると、今度はフェンスに背中を預けて座った。
今はひなたの方が気持ち良いから、最近はこうしてフェンスに寄りかかって昼休みを過ごすのが日課。
「はい」
そして片桐の分のお弁当を作って来るのも、もう日常の一部となってしまった。