キミの心に届くまで


郁都の膝の上にカイロを置くと、驚いたように目を見開いてビックリしていた。



「な、なに……?」



なんでそんなにビックリしてんの?



「いや……最近いい顔するようになったなって」



なぜか髪をわしゃわしゃ掻き回しながら、ほんのり赤く染まる郁都の頬。


ガラにもないことを言って、照れてるのかな?



「そう、かな……?」



自分ではあんまりわからないけど。



「ああ。悲惨な顔してた時と比べると、大分マシになった」



「そ、それは褒めてるの?けなしてるの?」



郁都の言葉って本当にわかり辛いんだよね。



「バーカ。思いっきり褒め言葉だろうが」



そ、そっか。


それは褒め言葉なんだ。


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