キミの心に届くまで


弱さをさらけ出すのが強さだと教えてくれた郁都の言葉を信じるよ。



いつまでも、後ろを向いたまま嘆いているだけの毎日は嫌だから。



「ありがと。あたし……頑張るね」



そう言ってニコッと微笑んで見せた。



「なんだよ、急に……変な奴だな」



郁都はそう言ってそっぽを向いた。


なぜか耳が真っ赤で笑いが込み上げて来る。



「笑うな、バカ」



「ちょ、やめてよね」



なぜか気付かれ、軽く頭を小突かれた。



ドキンと胸が高鳴ったことには気付かないフリをして、赤くなった頬を隠すように軽くうつむく。



最近のあたしは自分でも不思議に思うくらい本当に変だ。



郁都の仕草や行動ひとつにドキドキして胸が痛いんだもん。


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