キミの心に届くまで


そして迎えたお昼休み。


柏木君が迎えに来るということで、あたしはその場にいたくなくて早々に教室を出た。



すずはあたしのことを『友達が多い』っていうけど、本当は全然そんなことない。


同じ中学出身の子が多くて顔見知りなだけで、実際はただ挨拶を交わすだけの薄い関係。


連絡先も知らなければ、一緒に遊んだこともないような子達ばっかり。



浅く広く付き合って来たから、もしかしたら友達と呼べる人なんて1人もいないかもしれない。



なんて考えると気分が暗くなるからやめた。



出来るだけひと気のないところに行きたくて、なんとなく屋上に続く階段を上がる。


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