キミの心に届くまで


「ごめんね……すずっ、本当に……ごめん」



視界がボヤけ始め、一気に涙が滲んで来る。



みっともない姿を、弱さをさらけ出すのは簡単なことじゃないけど。


そうすることで何かが変わるなら、あたしは自分の手で運命を切り拓いて行きたい。


たとえ許してくれなくても、行動したことに意味があるんだと思うから。



「う〜、ひ、陽良〜……っ!謝るのは……あたしの方だよ……っ」



涙交じりのすずの声が聞こえて、体をゆっくり上げた。



そこに飛び込んで来たのは、大きな目を真っ赤にさせて泣いているすずの顔。



なんで……すずが泣いてるの?


< 165 / 374 >

この作品をシェア

pagetop