キミの心に届くまで


追いつくことも、隣に並ぶことも出来なくて。


いつまでもいつまでも、あたしは手を伸ばしながら郁都の背中を追いかけるだけ。



胸がキリキリして、痛みがどんどん広がって行く。


こんなに胸が痛いのは……郁都の中にその人の存在が今でも大きく残っていることに気付いてしまったから。


だから……そんなに寂しそうに笑うんだよね?


その人に未練があるから。


あたしとその人を、重ねて見てた?



「……そっか」



そう返すのが精いっぱいで、これ以上深く知りたくない。


そう思うのに、知りたいと思っているあたしもどこかにいて。


こんな矛盾してる自分が嫌で仕方なくなる。



知りたくないのに知りたいなんて、おかしいよね。


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