キミの心に届くまで
「今でも……好きなの?」
傷付くのを覚悟で恐る恐る聞いてみた。
ギュッと唇を噛みしめる郁都の横顔は、何かを悔やんでいるような。
後悔しているような、そんな顔だった。
ドクンドクンと胸が高鳴ってズキズキ痛む。
お願いだから、早く何か言って。
じゃなきゃ、この空気に耐えられないよ。
息が……胸が苦しい。
「さぁな」
「…………」
『んなわけねーだろ』って怒ったように言ってくれるのを期待していたあたしの心は、郁都の言葉にかなりの衝撃を受けた。
『さぁな』
寂しさ交じりの切なげな声が、悔しそうにうつむくその横顔が……。
彼女を手放したことをすごく後悔しているように見えて、切なさで胸がいっぱいになる。