キミの心に届くまで
すずは信じられないと言いたげに目を見開く。
「あ、そうだ!」
だけど、すぐに笑顔になって何かを閃いたように明るい声を出した。
「相手がいないなら、義理でいいから渡しちゃいなよ!潤君の友達で、陽良を気に入っている人がいるって言ったでしょ?陽良からもらったら、喜ぶと思うんだよね」
「えー、そんなの相手に悪いよ」
「大丈夫だよ〜!チョコを渡して一気に距離を縮めれば、好きになることだってあるかもしれないじゃん」
「えー」
乗り気じゃないあたしに、すずはグイグイ押して来る。