キミの心に届くまで


すずは信じられないと言いたげに目を見開く。



「あ、そうだ!」



だけど、すぐに笑顔になって何かを閃いたように明るい声を出した。



「相手がいないなら、義理でいいから渡しちゃいなよ!潤君の友達で、陽良を気に入っている人がいるって言ったでしょ?陽良からもらったら、喜ぶと思うんだよね」



「えー、そんなの相手に悪いよ」



「大丈夫だよ〜!チョコを渡して一気に距離を縮めれば、好きになることだってあるかもしれないじゃん」



「えー」



乗り気じゃないあたしに、すずはグイグイ押して来る。


< 188 / 374 >

この作品をシェア

pagetop