キミの心に届くまで
すれ違う瞬間に目が合い、あまりにも冷たいその眼差しにヒヤリとさせられた。
出会った頃のように冷たいその態度と、人を寄せ付けないオーラは健在で。
郁都の心には誰も踏み込めない。
改めてそう思わされてしまった。
「なにあれ?感じわるーい!片桐君って無口なイメージだったのに!」
頬を膨らませてブーブー文句を言うすずに、あたしは何も言い返せなかった。
ただ、胸が痛くてどうしようもなかったんだ。