キミの心に届くまで
本命チョコ
迎えたバレンタイン当日。
月曜日ということもあり、みんな昨日の内にチョコを用意する時間は十分にあったようだ。
教室に着くと、朝からその話題で持ち切りだった。
「どんなチョコにしたー?」
「あ、可愛い!」
「美味しそう」
あちこちから女子のはしゃぐ声が聞こえて来る。
みんな、好きな人にあげるのかな。
それとも、彼氏?
今日だけ特別に教室の中が賑わっているように思えた。
「陽良〜!おはよう〜!」
ぼんやりしていると、すずがあたしの目の前までやって来て妖しげにニコッと笑った。
言いたいことはわかってる。
「昨日は突然押しかけてごめんね〜!一緒に作りたかったの〜!」