キミの心に届くまで


義理チョコじゃなくて……。



「本命だって言ったら、受け取ってくれるの……?」



チョコを両手で握り締めたまま、バカみたいにそんなことを言ってみる。


余計に受け取ってくれるわけなんてないのに、なんでそんなことを言っちゃったのかは自分でもよくわからない。



だけど、義理チョコは嫌だと言われているような気がして。


郁都の気持ちを確かめたかったっていう思いもあったのかもしれない。



「はぁ?なに寝言言ってんだよ。いらねーよ、気持ちがこもってねーモノなんて」



郁都はこれが本命チョコだなんて信じていない様子。


フッと鼻で笑われてしまい、キュッと唇を噛み締める。


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