キミの心に届くまで
「好き……だから」
郁都のことが。
自分でも不思議だけど、もうどうしようもないくらい好きなんだ。
止められないんだよ。
「マジ……かよ」
郁都は目を見開いたまま、わしゃわしゃと自分の髪を掻き回し始めた。
その表情は困っているようにも見えて、なんだか傷付く。
「わかってるよ……迷惑、だったよね」
自分で言って、胸が激しく締め付けられた。
ダメだ、なんか泣きそう。
やっぱり、言うんじゃなかったな。
もう普通にしていられない。
恥ずかしくて情けなくて、今すぐにでも逃げ出したい気分。
そんな後ろ向きな気持ちが勝って、なんとなく顔を伏せた。
「迷惑だなんて言ってねーだろうが」
え……。