キミの心に届くまで


お返しをくれたのにそれも受け取らず、駆け足で教室へ戻った。



目には涙が滲んでいて、席に着くと机に突っ伏して隠れて泣いた。



バカだ、あたし。


最初からわかってたのに、期待して胸を痛めてるなんて。


なんで期待なんてしちゃったんだろう。


心のどこかでは、郁都があたしを好きだなんてありえないってわかっていたのに。



もう会えない。


どんな顔をして会えばいいのかもわからない。


この先、普通に話せる自信もない。


会うとツラくて苦しくて、どうしようもない寂しさばかりが込み上げて来る。


胸が張り裂けそうになって、心が押し潰されそうなほど痛むんだ。



会っててもツラいだけなら、もう会わない方がいいのかもしれない。


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