キミの心に届くまで


どんどん好きになっていっているのがわかって、毎日寂しくてたまらない。


片想いがこんなにもツラいだなんて知らなかった。



「おねーちゃん!」



あっという間に春休みに突入して、久しぶりに翼が家に帰って来た。



今回は約半年の入院だったから、今までで一番長かったかもしれない。



始業式が終わって学校から帰ると、翼が玄関で出迎えてくれた。



「ただいま」



そう言ってニコッと笑って見せる。



「遊ぼー!」



翼は小さな細い手であたしの手を握ると、リビングの方へと引っ張った。


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