キミの心に届くまで
でもまぁ、仕方ないよね。
久しぶりに翼と帰って来られて、嬉しいんだよね。
翼だって、病院より家の方がいいに決まってる。
「おねーちゃん、早く食べよう」
「……うん。いただきます」
久しぶりに食べたお母さんの手料理は、涙が溢れそうになるほど美味しかった。
そして翼とお母さんの笑い声が響いて、久しぶりに楽しい食卓となった。
だけど、それは春休み中だけの出来事で。
新学期が始まる頃に、翼はまた体調を崩して入院することになった。
生まれた時から心臓が弱くて、何度危機を乗り越えて来たかわからない。
学校に通うことを楽しみにしてたのに、神様ってことごとくイジワルだ。