キミの心に届くまで


サボってばかりいたくせに、ちゃんと進級出来たんだね。


なんて、余計な心配をしているあたし。



会わなくなってからも、春休みの間もずっと郁都のことが頭から離れなかった。



「ほら、早く教室行こっ」



「う、うん」



すずに言われて新しい教室に向かう。


郁都と同じクラスになって、嬉しいような嬉しくないような複雑な気持ちが入り交じっていた。



教室に入るともうほとんどの席が埋まっていた。



「うわっ、ギャル率高っ」



周りを見回して、すずがビックリしたように言う。



1年生の時は割と大人しめの女子が多かったけど、今回のクラスでは髪を染めたり派手なメイクをしている女子がたくさんいる。


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