キミの心に届くまで
それでもさっきよりはみんな耳を貸すようになって、真剣な顔で前を向いてくれる人が増えた。
「ではまず保健委員から。誰かなりたい人はいますか?」
イワイ君はまったく役に立たず、隣にいてもおどおどしているだけで助けてくれない。
あたしはそんなイワイ君に、コソッと黒板に立候補者の名前を書いて欲しいと頼んだ。
「俺がやるよ」
誰も手を挙げない中、見かねたように柏木君が名乗り出てくれた。
「じゃあ、あたしも」
それを見て、すずも嬉しそうに手を挙げる。