キミの心に届くまで


「えっ?大橋さんって実はそうなの?」



「大人しそうな顔して、裏ではすごいのかな?」



「えー、イメージ湧かない」



次第にザワザワと騒がしさが戻って来て、ひそひそあたしのことを話す声があちこちから聞こえて来た。



違うのに。


そんなんじゃ、ないのに……。


なんでそんな陥れるようなことを言うの?


あたしが何かした?



悔しくて唇を噛み締める。


あまりにも理不尽な言葉に、涙がジワジワ浮かんで来た。


悔しくてたまらなくて、握り締めた拳が震える。


なんであたしばっかり……。


あたしが何をしたっていうの?


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