キミの心に届くまで


「陽良、大丈夫〜?あの片桐君と風紀委員だなんて」



心配そうな顔で駆け寄って来てくれたすずは、ちらっと後ろに目を向けた。


そして後ろにいる柏木君と目が合ったのか、嬉しそうに頬を赤らめながらニコッと微笑む。



「あ、うん。それは大丈夫だけど」



「何かあったらフォローするから、遠慮なく相談して」



柏木君の隣に座るザッキーも、心配そうにこっちを向くと優しい声で言ってくれた。



ザッキーは誰もやりたがらないクラス委員に率先して立候補すると、持ち前のリーダーシップを発揮して委員会決めを手伝ってくれた。



さらには委員長がザッキーに決まったからなのか、女子の間で副委員長の立候補者が何人もいて争奪戦を繰り広げたのだ。



だから、すんなり決まったのはザッキーのおかげってわけ。


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