キミの心に届くまで

嫉妬と元カノ



それからまた、あたしは屋上に顔を出すようになった。


教室では他人同然の関係が続いていて、屋上でしかまともに話してくれないから。



寂しいけど、仕方ないと割り切った。


最初に約束したことを、あたしはまだ忠実に守り続けている。


その理由はただひとつ。


郁都を失うのが怖いから。



清水がウザいほど絡んで来ることもしばしばあるけど、そこはうまく交わしてスルーしている。


アリスさん率いるギャル軍団も、相変わらずあたしを目の敵にして陰でコソコソ言っているけど、何かして来るわけではないから放置中。


刺激すると、面倒なことになりかねないしね。



やっぱり肝心なことは何ひとつ聞けないままだけど、あたしを『好きだ』と言ったその言葉だけで十分だよ。


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