キミの心に届くまで
「怒られたねー、ヒヨヒヨ」
ニコニコ微笑みながら、至近距離で顔を覗き込むのはやめて欲しい。
いつも思うけど、清水は距離が近いというか。
他人の心に土足でズカズカ上がり込んで来るから苦手。
「清水のせいでね」
「ヒヨヒヨって、見かけによらず毒舌〜!」
「ヒヨヒヨって呼ばないでってば!」
あー、ダメだ。
ついついまた反応しちゃった。
視線を感じて向かい側を見ると、アリスさんが思いっきりあたしを睨んでいた。
そして机に肘をつきながら顔を手に乗せ、そのまま話し始める。
「あんたら話し合いに参加しなかったバツとして、2人で模造紙にまとめてよね。こんな面倒なこと、早く終わらせたいんだからっ」
強引にそう言ったアリスさんは、そのあと堂々と机からスマホを取り出して話し合い放棄状態。
そんなのあたしだって嫌に決まってる。