キミの心に届くまで


ーーギィィィィ



昼休み、いつもと同じように屋上へ向かう。


すずにはいつも不思議そうな顔をされるけど、なんとかうまく交わしている。



今日もいつもと同じ場所に、郁都が先に来て座っていた。



「お待たせ」



「…………」



あれ……?


なんか、怒ってる?



なんだかよくわからないけど、じとっと見られて居心地が悪い。



隣に並んで座ろうとすると、ガッと腕を掴まれ勢い良く引っ張られた。



体勢を崩したあたしの手からお弁当箱が落ちたけど、郁都はまったく気にも留めずに力のまま背中に手を回して来た。


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