キミの心に届くまで


ーードキドキ



あぐらをかいて座る郁都の膝の上に抱きすくめられ、力強く容赦ない瞳で心臓を射抜かれた。


反則だよ、そんなの。



「な、なに……?どうしたの?」



「なんだよ、さっきの」



「え……?」



さっきの……って?


わけがわからなくてポカンとする。



「放課後、あいつと図書館に行くんだろ?」



「え……あ、うん」



「なんで?」



「なんでって……資料を探しに」



ザッキーとのやり取りを郁都も聞いてたはずなのに、確認するように訊き返して来る真意がよくわからない。


< 267 / 374 >

この作品をシェア

pagetop