キミの心に届くまで
「つーか、なんで断んねーわけ?」
「え……?だって、ザッキーだけにやらせるのは悪いし」
同じグループなんだから、協力するのは当たり前っていうか。
普通のことだよね?
「ムカつく」
え……?
訊き返そうとしたけど出来なかった。
強引な郁都の唇に阻まれたから。
怒りをぶつけるように荒々しく何度もキスされて、ついていくのにいっぱいいっぱいのあたし。
「わかってんのかよ?あいつ、お前に気があるってこと」
唇が離れたわずかな隙に、郁都は低い声でさらに怒りをあらわにする。
鋭く尖った言葉が胸に突き刺さって、言い訳をする間も与えられないまま何度も郁都の唇が降って来て。
気付いた頃には、全身が火照るように熱くなって倒れてしまいそうになっていた。