キミの心に届くまで


「色々言ったけど……ヒヨヒヨを混乱させたかったわけじゃなくて。昨日も言ったけど、あいつはもう前を向いて進んでる。不器用でぶっきらぼうで、言葉足らずな奴だけどさ……」



清水の声はもう震えていなかった。


そして、顔を上げるとあたしの目を見て優しく微笑む。



「ヒヨヒヨを傷付けたくなくて、守りたくて必死なんだよ。自分のせいで危険な目に遭わせたくないから、校内では冷たくしてるんだってことを理解して欲しい」



友達思いの良い奴だな、清水は。


お調子者でうるさいだけの奴かと思ってたのに。



「ヒヨヒヨのことを大切に想ってるのは見ててわかるし、あいつを信じてやって欲しいんだ」



「…………」



即答出来なかった。


清水はあたしの気持ちをも、よく考えてくれている。


不安にさせないように、言ってくれてるんだよね?


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