キミの心に届くまで


それと同時に激しく後悔した。


繁華街で会った時、あたしは……郁都に向かって、なんて言った?


なんて言って、郁都を怒らせた?



『別にどうなっても良かったのに』って。


『関係ない』って。


そう言ったよね。



ツラさを知ってるから、あたしが傷付くことをわかって怒ってくれたんだよね。



バカだ、あたし。


あの時、郁都がどんな気持ちでいたかも知らずに……。



心の傷口を広げてしまったかもしれない。


ツラさを思い出させたかもしれない。


でも、だからこそ助けてくれた。


< 284 / 374 >

この作品をシェア

pagetop