キミの心に届くまで


これまでのことをすずに全部打ち明けた。


郁都と出会った経緯や家庭環境のこと、気付いたら好きになっていたこと。


曖昧な関係のまま進展がないこと、時々見せる切なげな顔を見ていつも泣きそうになっていたこと。


元カノである小町さんがあたしに似てるということ。


……自殺の理由を包み隠さず全部。


すずはビックリしたように目を見開いていたけど、声を詰まらせながら話すあたしの言葉に最後まで耳を傾けてくれた。



話し終わったあと、目に涙が浮かんでいた。


指でそっと拭ってすずの顔を見る。



「ひ、陽良〜……っ、つ、ツラかったね……っく」



「……っ」



すずの大きな瞳からこぼれ落ちる涙を見て、再びジワジワ視界がボヤける。


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