キミの心に届くまで
信じるって決めたけど……。
でも、だけど。
「陽良が元カノに似てるって……っそれは、ツラいね……好きな分余計に」
すずはツラそうに顔をしかめながらつぶやいた。
「あたし……代わりでもいいってそう思ってた。郁都を、信じようって。だけど……やっぱり、これ以上はムリだよ……っ」
郁都といると、いつも思い知らされることがある。
あたしじゃダメなんだって。
あたしじゃ代わりにはなれない。
未だに見せるツラそうな横顔に、何度涙が溢れそうになったかな。
郁都が恋い焦がれる人はこの世にはもう居なくて、いくら手を伸ばしてみても届かない距離にいる。
いくら想っても、もう2度と会えないところに。
話すことも、触れることも、抱き合うことも出来なくて。
あたしといることで、傷口を広げてしまってるんじゃないかって思えてならなかった。