キミの心に届くまで
それにさえ涙が溢れそうになって、唇を噛み締めた。
今日は……今日だけは、郁都の優しさに甘えていたい。
明日からはちゃんとするから、だから……ごめんね。
もらった麦茶を一口飲むと、コップをテーブルの上に置いて郁都の肩に寄りかかった。
触れているところが温かくてドキドキする。
「ギュッてしていい?」
自分からこんな風にするのは初めてだから緊張するけど、少しでも郁都の温もりを覚えておきたかった。
郁都はビックリしたように目を見開いていたけど、しばらくするとあたしの肩に手を回して、もう一方の手を腰に回して来た。
引き寄せられて、ドキドキが加速する。
「どうなってもいいなら、ご自由に」
「え……」