キミの心に届くまで


「はぁ?マジで言ってんのかよ。意味わかってねーだろ?」



「わかってるよ……あたしだって、もう子どもじゃないもん」



「…………」



郁都の胸に頬を寄せたまま、とてもじゃないけど顔は見れなかった。


こんなこと、目を合わせて言えるはずがない。



あたしを包む大きな胸板、がっしりとした腕から伝わる温度が心地良い安らぎを与えてくれる。



幸せだなって。


ずっとこうしていたいって思ってしまう。



ギュッと抱きついたままでいると、郁都はあたしの耳元に唇を寄せて小さく囁いた。



「マジで後悔しねーんだな?」って。


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