キミの心に届くまで


「おばーちゃんのお家?それって、おねーちゃんも一緒?」



「えっ……」



「おねーちゃんも一緒じゃなきゃ、僕も行かない」



「そんなこと言ったら、お母さんが悲しむよ」



「やだ!おねーちゃんも一緒がいい」



翼の目にたちまち涙がたまる。


そうだよね。


翼だって、新しいところで一からスタートするわけだもんね。


ツラいよね。


寂しいよね。


あたしだけじゃないんだよね。



「大丈夫だよ、あたしも一緒に行くから」



「本当?」



「うん」



昨日の夜、そう決めたんだ。


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