キミの心に届くまで


「足つけてみなよ。ほら、こうやって靴下を脱いで……ひゃあ、冷たっ」



言ったそばから、ユノちゃんが靴下を脱いで足をつけた。


深くて底の方までは見えない。


流れも速いから、落ちたら一瞬で流されそうだけど。



他の子も、靴下を脱いでどんどん足をつける。



「冷たーい!」



「キャー」



「ほらほら、陽良ちゃんも早く〜!」



そう言われて靴下を脱ぎ、出来るだけ流れの緩やかな場所を探して腰かけた。



恐る恐る足をつけてみる。



「わ!つめたっ」



まるで氷水に足をつけているような感覚。


だけど、火照った体にはちょうど良くて気持ち良い。


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