キミの心に届くまで


「夏はここに来るのが一番だよね〜!」



「天然クーラーだもんね」



「まぁでも、親にバレたら怒られるけど」



「落ちたら危ないからね〜!」



みんなが口々に話すのを、あたしは黙って聞いていた。


心の中のモヤモヤが晴れて行くみたい。



「そういえば〜!陽良ちゃんは彼氏とかいないの?」



4人で横1列に並んで座り、ユノちゃんが身を乗り出しながらニヤッと微笑む。



「それ、あたしも聞きたかった〜!」



「い、いないよ……」



みんなから期待したような目で見られて、思わず声が小さくなる。


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