キミの心に届くまで


おばあちゃんの家はここから数十メートルしか離れてないから、たまに家に遊びに行ったりするんだけど。


ケンちゃんは家にいても寝てるかゲームしてるかのどっちか。



「たまには、ユノちゃんをデートに誘ったりしてみれば〜?」



からかうように言ってやった。


蝉の声が辺りに響いて、立っているだけでもエネルギーを消耗する。



「は、はぁ?なんでこの俺がユノなんかを誘わなきゃなんねーんだよっ!」



ムキになって言い返して来るケンちゃんに、クスッと笑みがこぼれる。



まったく〜!


素直じゃないんだから!


< 335 / 374 >

この作品をシェア

pagetop