キミの心に届くまで
おばあちゃんの家はここから数十メートルしか離れてないから、たまに家に遊びに行ったりするんだけど。
ケンちゃんは家にいても寝てるかゲームしてるかのどっちか。
「たまには、ユノちゃんをデートに誘ったりしてみれば〜?」
からかうように言ってやった。
蝉の声が辺りに響いて、立っているだけでもエネルギーを消耗する。
「は、はぁ?なんでこの俺がユノなんかを誘わなきゃなんねーんだよっ!」
ムキになって言い返して来るケンちゃんに、クスッと笑みがこぼれる。
まったく〜!
素直じゃないんだから!