キミの心に届くまで
え……?
聞き間違いかな?
「陽良!」
ううん。
だけど、確かに誰かの声が聞こえる。
目を開けて体を起こした。
そしてそのまま、声がした方を振り返る。
「え、ケンちゃん……?」
ケンちゃんが汗だくになりながら、真剣な顔付きで立っていた。
その距離、わずか数メートル。
「どうしたの?家で寝るって……言って……た」
そう言いながらゆっくり立ち上がると、信じられない光景が目に入って言葉を失う。