キミの心に届くまで


「こ、来ないで……!」



郁都のそんな顔を見ていたくないの。


なんでそんな傷付いたような顔をしてるの?


苦しそうなの……?


あたしから解放されて、前を向いて進んでるもんだとばかり思っていたのに。



「んな冷たいこと言わずに、ちゃんと話し合えよな」



「ケンちゃんは黙ってて!」



顔を見ると余計に忘れられなくなるのに、なんで来たりしたの?


もう……放っておいてよ。


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