キミの心に届くまで


や、ヤバいっ……。


苦しい……っ。


い、息が……出来ないよ。


流れが速すぎるせいで水面に顔を上げられず、息継ぎが出来ない。



苦しくて苦しくて……必死に水の中をもがき続けた。



どんどん意識が次第に遠のいて行く。


必死に手を伸ばしてみるけど、虚しく水中を彷徨うだけで誰にも届かない。



誰か……助けて。


もう、息が限界だよ……。


苦しい……。



なぜか郁都の顔が頭に浮かんだ。



……助けて!


お願い……っ。


あたし、まだ死にたくないっ。



必死に手を伸ばす。


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