キミの心に届くまで


「お前……ドジすぎ」



「ご、ごめんね……」



本当、自分でもそう思う。


バカだよね。



「でも、ありがとう」



助けてくれて、嬉しかった。



「つーかさ」



起き上がり、あたしに覆い被さるといつもの鋭い瞳を向けられた。


ーードキドキ



あたしは何も言えなくなってしまい、胸が苦しくて息をするのもやっと。



濡れた髪から雫がポタポタ頬に落ちる。


水に濡れて、余計に色っぽく見える気がするのは目の錯覚かな。



「もう新しい彼氏が出来たんだ?」



「え……」



か、彼氏……?


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