キミの心に届くまで


濡れているせいで体にピタッと張り付いているTシャツから、程よくついた筋肉が浮き出てさらにドキドキする。



郁都はそんなあたしにお構いなしに、その体勢のままで着ていたTシャツを脱いだ。



「ちょ、ちょっと……!なに脱いでんの!」



は、恥ずかしいんだからっ。


服着てよ!



「濡れて気持ちわりーし。なに照れてんだよ、初めてじゃねーしいいだろ」



「良くないから」



目のやり場に困って視線を泳がせる。


ドキドキと緊張がスゴくて、心臓が破裂しそう。



聞きたいことがたくさんあったのに、一瞬にして全部吹き飛んでしまった。


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