キミの心に届くまで


「触んな」



それを見た郁都がムスッとしてケンちゃんの手を振り払い、あたしの肩を抱き寄せる。



「なんだよ、うまくいったのかよ。つまんねーな」



「当たり前だろ。お前のウソなんか通用しねーっつーの」



「は、そうかよ。陽良を傷付けたら、俺が許さねーからな」



なんだかよくわからない2人の会話を聞きつつ、意識は肩に回った郁都の腕に集中する。



Tシャツを脱いでいるせいで、肌と肌が触れ合って顔がボッと赤くなる。


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