キミの心に届くまで
「小町が亡くなったのは、その何ヶ月もあと。そりゃやっぱり、亡くなったのはショックだったし、認められなかった」
そう、なんだ……。
知らなかった。
あんなに悲しそうな顔で悔いてたから、てっきりあたしは……。
「俺のせいでイジメに遭ってたり、親に色々言われてたことを相談してくれなかったのも悔しかった。あいつを苦しめた相手の男にもめちゃくちゃムカついた」
何も言わずにただ耳を傾けた。
ひとつずつ明らかになっていく郁都の真実。
「けどそれは、ダチとして抱く普通の感情だろ?未練があるとすれば、心の叫びに気付いてやれなかった自分自身の不甲斐なさだな」
「でも……じゃあ、なんであたしを……?」
だって、小町さんに似てるんでしょ……?
でも、郁都は小町さんを好きになれなかった。
え?
頭が混乱する。
いったいじゃあ、なんであたしを好きになったの……?