キミの心に届くまで


「小町が亡くなったのは、その何ヶ月もあと。そりゃやっぱり、亡くなったのはショックだったし、認められなかった」



そう、なんだ……。


知らなかった。


あんなに悲しそうな顔で悔いてたから、てっきりあたしは……。



「俺のせいでイジメに遭ってたり、親に色々言われてたことを相談してくれなかったのも悔しかった。あいつを苦しめた相手の男にもめちゃくちゃムカついた」



何も言わずにただ耳を傾けた。


ひとつずつ明らかになっていく郁都の真実。



「けどそれは、ダチとして抱く普通の感情だろ?未練があるとすれば、心の叫びに気付いてやれなかった自分自身の不甲斐なさだな」



「でも……じゃあ、なんであたしを……?」



だって、小町さんに似てるんでしょ……?


でも、郁都は小町さんを好きになれなかった。


え?


頭が混乱する。


いったいじゃあ、なんであたしを好きになったの……?


< 362 / 374 >

この作品をシェア

pagetop