キミの心に届くまで
「どこに届いたって?」
肩を抱き寄せられ、胸がキュンとなる。
逞しい腕も、筋肉が割れて引き締まった胸板も、茶髪の髪も……。
郁都の全部が大好きだよ。
「郁都の心!」
「はぁ?何言ってんだよ、お前」
バカにしたような目で見られて、頬を膨らませる。
「いいでしょ。ずっと、そう願ってたんだから」
この気持ちが、郁都の心に届くのを。
「お前なぁ……」
ーーフッ
口角を上げて妖しげに笑うと、郁都はあたしの耳元に唇を寄せた。
「願わなくたって、最初から届いてただろ?」
甘い甘い声で囁かれて、一瞬にして顔が真っ赤に染まる。