キミの心に届くまで
両手で肩を掴まれたかと思えば、向かい合うようにして至近距離で顔を覗き込まれた。
水滴が滴り落ちて、ツヤのある肌がそれを弾いている。
それが妙に色っぽくて、心臓がありえないくらい高鳴って止まない。
「言葉にしなかった俺も悪いよな……今まで、苦しめて悪かった。これからはぜってー泣かせねーから……」
見つめ合ったまま、クラクラとめまいがした。
嬉しすぎて、夢みたいで。
「俺と……付き合って下さい」
郁都の口から聞くことはないと思っていたその言葉を聞いた瞬間、胸に熱いものが込み上げて涙が溢れた。