キミの心に届くまで
「それにしても……よくあたしの居場所がわかったね」
田舎といっても広いから、迷ったりしなかったのか心配になった。
「ああ、真山に住所聞いたらすんなり教えてくれた」
「あ、そうなんだ。でも、よく来ようと思ったね」
あたしは逃げることしか出来なかったから、素直にスゴいと思ったんだ。
その結果、今に繋がるわけだから郁都が来てくれて良かった。
「当たり前だろ?この手で……もう1回お前を抱き締めたかったから」
郁都はそう言って、優しくあたしの頬にキスをした。