キミの心に届くまで


なんであたしに聞くの?


そんなの、自分で決めればいいのに。


幸せだってことを見せつけたいの?



「どこでもいいって言ったんだけどね〜!すずに決めて欲しいって言われちゃってさ〜」



「デートなんてしたことないし、あたしにはよくわかんないや」



無邪気に言うすずに、そう返すのが精いっぱいだった。



「えー、そう?陽良ならいい場所知ってると思ったのに〜!」



その時、ちょうどチャイムが鳴って。


これ以上すずと話していたくなかったあたしは、心底ホッとした。


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