キミの心に届くまで
片桐……?
片桐……って、まさか。
昨日、屋上にいたあの片桐……?
チラッと目を向けると、まさしくそこを通り過ぎようとした派手な茶髪の男子と目が合った。
鋭く尖った冷たい瞳が、人を寄せ付けないようなオーラを放っていて。
昨日と同じその無表情には、やっぱりどこか寂しさを感じる。
一瞬で通り過ぎて行ったけど、どこか人の目を引く存在で圧巻させられた。
「遅刻かなー?久しぶりに見たね〜!」
「最近、あんまり学校に来てなかったもんね」
一瞬で教室の前を通り過ぎて行った片桐だったけど、女子達の興奮は高まるばかり。