キミの心に届くまで
Season*2
イライラ
ーーギィィィィ
昼休み、屋上の扉を開けると錆びた鉄の音が辺りに響いた。
昨日と同じ場所に行くと、壁に寄りかかって座る片桐の姿が見えてそのまま目が合う。
相変わらず整ったその顔はやっぱり無表情で、一瞬だけヒヤッとする。
「本当に今日も来たんだな」
興味のなさそうな声に、もう少し愛想良くすればいいのにって心の中で嘆く。
「当たり前でしょ、昨日言ったじゃん」
「本当に来るとは思わなかった」
「言ったことは守るし」
「はは、優等生だな」
笑っているのは声だけで、顔は全然笑っていない。
そんな片桐の隣に腰を下ろすと、あたしは手にしていたお弁当を膝の上に乗せた。