キミの心に届くまで
「すずは、もう少し勉強に力を入れた方がいいんじゃない?彼氏に依存してるだけなんて、なんの魅力もないんだけど」
「な、なにそれ〜!も〜、陽良ってば本当に毒舌〜」
それでもまだ、すずはヘラヘラ笑っている。
そうだよね。
すずには、柏木君がいるもんね。
柏木君さえ居てくれたら、それだけで毎日幸せなんでしょ?
じゃあ、あたしはいったいなに?
「本当のことだけど?」
一度開いた口は止まることなく冷たい言葉を吐き続けた。
すずの顔がどんどん曇って悲しげなものに変わっていく。
だけど、止められなかった。