キミの心に届くまで
「別にどう思われたっていいよ。だけどあたしは、謝らないから」
それだけ言い残して体育館とは別の方へ歩き出した。
「なにあれ!感じ悪っ!」
「やっぱ性格悪いんじゃん」
後ろからそんな声が聞こえて、拳をギュッと握り締める。
なによ、あたしのことなんて何も知らないくせに。
何も知ろうとしていないくせに。
「ひ、陽良……」
「ついて来ないで!」
おどおどしながら小走りでついて来るすずに、イライラが止まらなくて大きな声で叫んだ。
あたしなんかに構わないで、あの子達と仲良くしてればいいでしょ?
あたしにまで『良い子』だって思われたいわけ?
あたしのことなんてどうでもいいと思ってるくせに、心配そうなフリなんかしないでよ!