キミの心に届くまで
ホームに駆け上がって、ちょうど発車しようとしていた電車に飛び乗る。
普通なら学校にいなきゃいけない時間に制服を着たあたしを、駅員やお客さんが不思議そうに見て来た。
「やだ、不登校の子かしらね」
「あの制服、この辺の学校のものでしょ?」
「進学校なのに、サボりだなんてやーねー」
ヒソヒソ声が耳に届く。
コソコソしてるつもりなんだろうけど、しっかり聞こえてるって。
ジロジロ見られて、なんだかすごく居心地が悪い。
どこにもあたしの居場所なんて、ホッと出来る場所なんてない。
キュッと唇を噛みながら、あたしは足早に隣の車両に移った。